2015年9月15日火曜日

ワークショップ「社会心理学からみるセクシュアルマイノリティ」

9月7日に、カウンセリングオフィス+αにて、「社会心理学からみるセクシュアルマイノリティ」というワークショップの講師をさせていただきました。

こちらで講師をさせていただくときは、いつも参加要件として、「カウンセリングや心理学を学んだ経験のある方」が対象となっています。
まず、こちらでお話をさせていただくことは、ボクにとってとても意味のあることで、とりあえず、「理解しようとすること」を学んでいる方なので、第一段階としてまったくカウンセリングや心理学を学んでいない方とは姿勢が違う方にお話をさせていただけるのは、今後のためにとても有用です。
ある意味、ハードルが下がります。
しかし、それと反対に学んでいる方だからこそ、その方たちの前に立って話をするということは別の高いハードルもあります。
はたして、その資格がボクにはあるのか。
参加者の方は、そのあたりを寛大に見てくださっているので、まだまだ未熟なボクにもチャンスを与えてもらっているというきもちになれます。

社会心理学からみるセクシュアルマイノリティ1
社会心理学からみるセクシュアルマイノリティ2
社会心理学からみるセクシュアルマイノリティ4

ボクは、どこかの大学の心理学課程を学んだわけではないし、「社会心理学」についてはまったくの独学です。
自分で開催しているワークショップの中に「社会を知る」というテーマで、この「社会心理学」についてすでに2月にこのへんのお話をさせていただいていますが、どんどん学んでいくうちに、より突っ込んだ内容を他のいろんなカウンセラーさんたちにお伝えしたいと強く思うようになりました。
当初、この講座の内容について、ずっと主催者のひとり、おのちゃんとお話をしていたときは、主に「集団内で無意識に独特に働くバイアス」について、ここに視点を置いてセクマイのことをお話できるといいね、と盛り上がっていましたが、「社会心理学」について勉強を重ねていくうちに、「社会的ジレンマ」の話も重要だな、と思い始め、内容が盛りだくさんになってしまいました。
「社会的ジレンマ」「集団内無意識バイアス」「少数派と多数派」の3つについて、どっぷりお話をしました。
もちろん、「社会心理学」はこれだけではなくて、とても1回のワークショップで盛り込めるものではありません。
今回は、その入口です。
そして、セクシュアルマイノリティだからこそ感じる視点でお話させていただきました。

以下、参加されたみなさまの貴重なご感想です。

【Kさん】社会の一員である自分は、やはり安心したいので、マジョリティ視点で物事を見ていたと実感しました。
マジョリティ側の態度を高める(小さな違和感に、他者の感じ方に気づいていく)ような教育とか社会のあり方は大切だと思いました。

【Sさん】社会心理学という言葉を少し理解したような気がします。
マイノリティという言葉についても、普段意識したことがなかったので、今日は参加してよかったと思います。

【匿名希望さん】様々な集団の中で、マイノリティの人たちが圧迫を受けていて、苦しみを感じていることは想像できたが、「セクシュアル」という部分で「マジョリティ」に入るだろう自分は何をすべきなのかわかりません。
「セクシュアルマイノリティに限らず」、マイノリティの方たちのほうからは声を上げにくいのであるから、共存のためにマジョリティのほうから歩み寄ることをする必要があると思いました。


実をいうと、内容が盛りだくさんなので、今回は4時間という長丁場でお話しました。
ボク自身、4時間の講義は初めてだったというのと、話し慣れていない内容であったことは、いつもより余裕がなく、参加者のみなさんの理解度について充分配慮することができませんでした。
みなさんがじっくり考えている場面を、自分の説明がわかりにくいのかも、と勘違いしていたりもしましたが、とても貴重な講師をさせていただけたと思っています。
このワークショップでは、答えがあるものではなく、みなさんに持ち帰ってもらっていろいろ感じたり、違う視点で見てみたりしてほしい内容です。
どうしたら、よりよい社会になっていくかを考えたり感じたりしていただけるいい機会になったとは思いますが、正直、出口の見えていない学びです。

とはいえ、今回もみなさんが、ものすごく真剣に参加してくださって、セクシュアルマイノリティの理解を深くしようとしたり、どうしたらよりよい社会になるかを考える姿勢は、本当に当事者として、また数少ないセクマイカウンセラーとして嬉しい限りです。
あらためて、カウンセラーとして原点に立ち返って、今回もいろいろ学ばせていただきました。
このワークショップは、また休日開催が予定されています。
今回の経験を活かし、また次回はもっと洗練されたワークショップになるよう頑張りたいと思います。

参加者のみなさん、本当にありがとうございました。
そして、この開催を決めてくれた、おのちゃん愛子さんに深く御礼申しあげます。

社会心理学からみるセクシュアルマイノリティ3

主催者のおのちゃん愛子さんが、ご自身のブログで、今回のワークショップについて記事を書かれています。
ここでシェアさせていただきますね。

名古屋の心理カウンセラー小野綾子のブログ/「社会心理学からみるセクシュアルマイリティ」
http://ameblo.jp/counselor-ayaco/entry-12070548715.html

ココロノカタリベ/「セクマイと社会心理学」
http://co-ezaka.jugem.jp/?day=20150909

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