2015年7月1日水曜日

じぶん発見プロジェクト しろにじカーサ 6月の【マイノリティスタディルーム】のご報告

先週の土曜日6月27日は、「じぶん発見プロジェクト『しろにじカーサ』【マイノリティスタディルーム】」でした。

しろにじカーサ2015年6月MSR1

今回は、2名のみなさんが参加してくださいました。

以下、参加されたみなさんの感想です。

【Nikkohさん】《隠す》という語から受ける印象はどちらかというと負の要素の方が強いように感じます。その後、よく考えてみると、「知らぬが仏」という言葉があるように正の要素が見えてきます。単なる言いかえのようにも思えますが、《隠す》の代わりに「言わないでおく選択をする」ということによって、罪悪感がうすまっていくように感じました。「言わないほうがいいから言わない」「言いたくないから言わない」というと、自分の意志が前面に出てきますね。参考にしていきたいです。
【夏海さん】ネガティブな自分を認めて許してしまうと、無駄に自分をせめることなく、堂々としていられるんだなと思った。

今回は、シッティングバレーボールの事例を動画で見てもらいながら、「隠すってなに?」というテーマでディスカッションしました。

しろにじカーサ2015年6月MSR2
しろにじカーサ2015年6月MSR3

シッティングバレーボールとは、座った姿勢で行うバレーボール。
健常者も脚に障害を持った人もともに楽しむことができます。
夏季パラリンピック競技種目に採用されています。

人と違う体だからこそ、出会えた人生がある。
義足を脱ぐことで切り開いたある男性の挑戦です。

まず、参加者のみなさんに自己紹介と、最近誰かに何かを、「言わないでおく」ことで嫌な想いをしたことがあるか、また、誰かに「隠しごとをされている」と感じた出来事はあるかをお話してもらい、次に、「隠す」ということについてどんなイメージを持つかをお話してもらいました。
そして、動画を見てもらって率直な感想を聴かせてもらいました。

今回、多くの方が「隠す」という言葉に、「本当のことを言わない」「何かを偽っている」ようなイメージがつきまとっているということを感じました。
切断した足のことを隠していました主人公の男性は、中学2年のときに親友に足を見せ、隠さなくてもいいんだ、この足でいいんだ、と思えるようになったといいます。

動画を見終わったあと、その感想を話し合ってみました。

後半は、この男性が「隠す」ことをやめたという話を聞いてどう思ったか、ここに登場する人たちにとって「隠す」ことや「さらけ出す」ことはどんな意味があると思うか、をディスカッションしてもらいました。

「隠す」ことをやめると、生き生きとできたり、堂々とできたりする。
「さらけ出さ」れたことにより、あたりまえでなかったものがあたりまえになる。
「弱味」と思っていたものが「弱味」でなくなる。
といった印象がある一方で、
「関係性」や「環境」により、言えたり言えなかったりする。
双方に準備が要る。
親密度の温度差による。
などの意見も出ました。

そのうえで、参加者の方々に「あなたは隠さない生き方」をしているか、というお題を投げかけてみました。
していないと思う方は「内緒のことがあってもいいと思う」、していると思う方は「言わないことによる罪悪感がなくなる」といったお話が出ました。
まさにそのとおりだと思いました。
「隠す生き方」「隠さない生き方」、別にどちらがよくてどちらが悪いというものではありません。
ただ、「隠す」ことに「罪悪感」や「ウソをついている感じ」や「逃避する感じ」があると、「隠す生き方」は苦しそうですよね。

ここで、ひと(特に日本人)は、みんなと一緒でいたいという無意識の感覚から、少数(マイノリティ)の存在になると「隠す」ということに敏感になりすぎる傾向があることをお話させてもらいました。
そして、「隠す」ということは、非行動的であり、逃避しているイメージを伴ってしまうので、罪悪感が出やすいというお話をしました。
提案として、口をつぐまざるを得ない状況にあるとき、伝えようとする相手に受け入れる準備が整っていないときは、自分や相手を守るために「言わない選択」をしていると捉えてみてはどうか、ということをお話しました。
「言わない選択」であれば、「選択」なので、能動的で行動的であるし、罪悪感を持たないでいいと思えるように思います。

自分らしい生き方、自分に正直な生き方を目指している人であれば、やはり弱い部分や不都合な部分、また劣っている部分を「隠す」ことは、葛藤が起きると思います。
参加者のみなさんが、どんな生き方をしたいのか、そのためにはどんなことを受け入れ、なにを選択していくのか、それがまさしく「生き方の姿勢」だと思えたらいいな、というワークショップにしたかったです。

しろにじカーサ2015年6月MSR4
しろにじカーサ2015年6月MSR5

しろにじカーサでは、【セルフイメージチェンジルーム】で理論的に、もしくは感覚的に得たものを、応用してもらえるような、この3時間だけでもいろんなシチュエーションに身を置くことで、実際に自己理解相手理解を深めていってもらいたい意図もあります。
人は独りでは生きていけません。
人との関係性のなかで、また自分が存在する社会のなかで生きています。
ひとは、深く「自己理解」をして、自分を受け入れ、自分と向き合って、自分の人生を全うしていきます。
そして、社会に存在していくのです。
【マイノリティスタディルーム】では、これからも「マイノリティ当事者の事例を参加者の方に活かしてもらえるような気づきをもたらす、そして安心して自分のことを話し、支えあっていけるような「心の居場所」にしていきたいと思います。


しろにじカーサ2015年6月MSR6

参加してくださったみなさん、ありがとうございました。

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