2015年6月16日火曜日

ワークショップ「第2回カウンセラーのためのセクマイ基礎知識」のご報告

6月6日に、カウンセリングオフィス+αにて、2回目の「カウンセラーのためのセクマイ基礎知識」というワークショップの講師をさせていただきました。

前回、4月15日に同じ内容で開催させていただいたときは、平日の昼間だったので、あらためて休日開催を企画していただけました。
今回も、参加要件として、「カウンセリングや心理学を学んだ経験のある方」が対象となっていましたが、今回は2回目ということもあり、あまり緊張せずに講師を務めることができました。

カウンセラーのためのセクマイ基礎知識6
カウンセラーのためのセクマイ基礎知識7

前回と同じような内容のことをお話しましたので、詳しい内容は4月22日のブログ記事「『カウンセラーのためのセクマイ基礎知識』のご報告」をご覧ください。

以下、参加されたみなさまの貴重なご感想です。

【Aさん】私はゲイの方たちに直接お会いして聞いて自分の中で消化しているので、最初から人としてしか見ていないし、彼ら彼女らからも「自分」という存在を振り返ることできた部分もあったりしました。
「迷惑な存在」というキーワードが出てきたときには、いろんな場面でところで出て来る言葉だと思いました。
うまくいっていない夫婦間の問題のときにも、男の方って自分が大黒柱として家族の役に立っていると思っているので、その人たちがそうではないと思ったときに、よく「おれはこの中にいる場所がない、迷惑な存在だ」と言うことがあります。
「間違っているんじゃないか」「今の自分が良くないんじゃないか」というときに「そのままでいいよ」って言うとすごく泣かれる方がいらっしゃいます。
いろんな形があっていろんな人がいるけれど、「人」だから、全部つながっているんじゃないか、みんな「生きてるんだな」と思いました。
いいとか悪いとかではなく、みんな自分をわかってほしいし、自分という存在が生きているということを感じたいんだと思いました。

【Kさん】「「迷惑な存在」、不登校の子たちもみな「自分は家で迷惑をかけている」「学校へ行ったら居場所がない」「いないほうがいいんじゃないか」ってそう思っています。
困っている人はみんな持っていると思います。
自分が子どもを持っていないというのもあるかもしれませんが、社会一般的に子孫を残していくのがあたりまえということが生きにくさを作り出していると思います。
でもそれではなく、それ以外に自分らしさや自分として生きていく道というのがあると気づいてほしいと思いました。いろいろな場面に使える講座だと思いました。

【Sさん】私はもともとカウンセリングやコーチングを学ぶきっかけになったのは、自分がうつ病になったということが原因でした。
そのときに自分が「迷惑な存在」だと思い、どんどん劣等感や罪悪感に押しつぶされそうになりました。
豆腐さんに「迷惑な存在じゃないよ」と、そこにいるということだけを認めてもらえたことはすごく嬉しかったし安心したものでした。
それはセクマイやうつであることは関係なくいろいろな問題で悩む方がいますが、まず存在自体をいいとか悪いとか条件なしに認めてあげるということが大事だと感じました。

【Eさん】私は2回目の参加になります。
セクシュアルマイノリティというものに対して、自分の知っている知識とここで学ばせてもらった知識っていうのを知ったことで、1回目の参加から今回までに、職場でセクシュアルマイノリティの話題が出ました。
勉強したからこそ、そこで反応ができ、そこから話が発展するという出来事がありました。知っているだけでも、またそそ話を聞けるだけでも、広がりを持つことができたので、改めて知ることの大切さを知りました。
今回さらに深められたのは良かったと思います。

【Oさん】私は豆腐さんと26歳のときに出会い、初めて自分のマイノリティをカミングアウトしている人に出会いました。
それからアンテナを張るようになったと思いますが、同級生や知り合いの中で「自分もセクマイだ」と言っている人に出会う機会が増え、今まで自分がちゃんと見てこなかったと思う面もあり、また、偏見があったり気にしていなかったりすることで、せっかくの大事な告白やシグナルだったものを、自分が違うふうな捉え方をしていたり見過ごしていたりしたことがとても多かったように思います。
今回改めて学ばせていただき、もっともっと当事者の人たちが出すシグナルに繊細でいたいと思いました。
アンテナを張り続けていれば、さらにもっと解ろうとする自分の意欲も増します。「迷惑な存在」と思ってしまう人に「大丈夫だよ」というのは無責任さを感じてしまうので言えないけれども、アンテナを張り続け、気持ちをわかろうとする努力はやめちゃいけないと思います。
そうすることでいつかもっともっと自信を持って「迷惑な存在じゃないんだよ」って言えるときがカウンセラーとして来たらいいなと思いました。

カウンセラーのためのセクマイ基礎知識8

今回は、4月15日の経験を活かし、ボクが「豆腐」と名乗っている由来や、母へのカミングアウトのエピソードを付け加えてさらに内容をわかりやすくしようと試みました。
そのせいで、ディスカッションする時間がなくなってしまいましたが、前回よりもさらに深いものになったようにも思います。

実は前回から今回までの間に、セクマイの知識は伝えられたし、ボク個人のセクマイであることでの生き辛さは伝えられたけど、果たして参加者のみなさんにとって、セクマイのクライアントさんが相談にいらしたときにどうしたらよいかということは具体的にはお伝えできていなかったように思っていました。
逆に混乱させたのではないかと。

今回は、それを踏まえて、カウンセリングに訪れるセクマイ当事者のほとんどの方が、必要以上に感じてしまう「迷惑な存在」ということに焦点を当ててお話を展開していきました。
全体を通して、結局はセクマイであろうとなかろうと、クライアントさんが何を悩み、何をわかってほしくて、どうしていきたいと思っているのかに集中していくことに関しては、結局のところ同じなのではないか、という雰囲気になりました。

これが良かったのかどうかは少し疑問です。
ボクの中にもまだはっきりしない部分があります。
はたして、セクマイであることを特別視した方がいいのかしない方がいいのか。
それは、セクマイである前に人間であるという前提に立てば、特別視しない方がいいけれども、セクマイである自分を全面的に肯定して欲しい人にとっては、みんなと同じにして欲しくないという気持ちがあるようにも思います。
ここは、前回も今回も感じたことで、正解はないし、ボクがひとくくりにして説明するのもおかしいと思います。
このあたりがこういったお話をするうえではとても難しい部分だと思いました。

とはいえ、今回もみなさんが、ものすごく真剣に参加してくださって、セクシュアルマイノリティの理解を深くしようとする姿勢は本当に当事者として、また数少ないセクマイカウンセラーとして嬉しい限りです。
あらためて、カウンセラーとして原点に立ち返って、今回もいろいろ学ばせていただきました。
このワークショップを2回も講師させていただけたことをとても嬉しく思います。

参加者のみなさん、本当にありがとうございました。
そして、この開催を決めてくれた、おのちゃんと愛子さんに深く御礼申しあげます。

カウンセラーのためのセクマイ基礎知識9

まだ確定していませんが、おそらく次のワークショップを別のテーマでまた企画していただけそうです。
その際は、また、ここで告知させていただきますので、よろしくお願いします。

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