2014年7月30日水曜日

じぶん発見プロジェクト「しろにじカーサ」7月度【マイノリティスタディルーム】のご報告

今週の日曜日7月26日は、「じぶん発見プロジェクト『しろにじカーサ』【マイノリティスタディルーム】」でした。

6月度MSR1

今回は、3名のみなさんが参加してくださいました。

以下、参加されたみなさんの感想です。

【Oさん】混乱していて、何がどうとか言いにくいのですが、少し気持ちの整理がつきました。また、参加します。
【さっちゃん】自分にとっての居場所(私は『安心できるところ』だと思ってます)を改めて考えるのと同時に、居場所のなさを感じて自ら自分を追い詰めていく実例を見てじっくり考えることができました。『家族というものがわからない』などの言葉には胸が痛むのに、状況を改善させようとする気力に乏しいように見えてなかなか共感できずにいましたが、おそらく自分の中のある部分が反応したんだと思います。それについて終わってから気づいたこと。行動する原動力には『目的を達成するためのもの』と『不安から逃れるためのもの』の二種類あり、前者は達成感、後者は安心が得られるという豆腐さんの話で私は後者なんだなー、と分かりました。私の1番の不安は多分『母親みたいになりたくない』なんですが(笑)、私が必死で不安から逃れようとしてがんばってるのに、不安を堂々語っていることに対して苛立ちに近い違和感があったみたいです。自分に不安があることが分かったのでまずそれを理解できたら、他者にも寛容になって相手に理解を示せるかもしれないな、と思いました。

今回は、施設で育った方の例を動画で見てもらいながら、「居場所ってなに?」というテーマでディスカッションしました。

7月度MSR2
7月度MSR3

動画の中心人物は36歳の男性。
児童養護施設などで育った人たちを専門に支援している「ゆずりは」に、おととしの暮れ、住む家もなく、所持金わずか30円の状態で駆け込んできました。
小学2年生のときに両親が離婚、その後いっしょに暮らしていた母親の行方がわからなくなり、児童養護施設で育ちました。
アルバイトでこつこつと学費を貯め、大学進学を目指しましたが、挫折、大学を中退。自立した生活を取り戻すためのサポートが続いています。

まず、参加者のみなさんに自己紹介と、普段心から安心できる「居場所」や、最近、居心地がいい、もしくは居心地が悪いと感じたことについてお話してもらいました。
そして、動画を見てもらって率直な感想を聴かせてもらいました。

動画で主人公が自分の「居場所」として捉えたのは、実際に居心地よく暮らせる住まいと、「心の居場所」でした。

7月度MSR5
7月度MSR7

後半は、家庭が「居場所」になっているか、職場が「居場所」になっているか、自分自身のことを安心して話せる「心の居場所」があるかを話し合ってもらいました。

居場所」がないと「不安」になる、「不安」が行動にブレーキをかける、ということで、行動を阻む3つの不安と、同じように行動しているように見えても「目的」に向かってする行動と「不安」から逃れるようにする行動とでは違いがあることをお話させてもらいました。
行動するということは、目標や目的を持って進める行動であれば達成感があるけれど、何かの恐怖や罪悪から逃げていく行動には達成感はなく、その場合は行動することにエネルギーを注ぐのではなく、その恐怖や罪悪を受け止めることが必要な場合もあるということ、これは6月のマイノリティスタディルームでもお話しました。
でも、もしかしたら、まず安心できる「居場所」を作ることが、自分の生きる道を安心して行動できる最初の一歩なのかもしれません。
そんなことを改めて感じました。

7月度MSR4
7月度MSR6

毎月書いていますが、3月までの「セクシュアリティ勉強会」のときは、事例が極端すぎてなかなか当事者の気持ちになりきれないという意見が多くありましたが、【セルフイメージチェンジルーム】で理論的に、もしくは感覚的に得たものを、応用してもらえるような、この3時間だけでもいろんなシチュエーションに身を置くことで、実際に自己理解相手理解を深めていってもらいたい意図もあります。
居場所」を既に持っている人はあらためて自分の「居場所」などと考えることはないのかも知れません。
居場所がない」と思ってしまう人は、きっと「居場所」のない人たちです。
【マイノリティスタディルーム】では、これからも「マイノリティ当事者の事例を参加者の方に活かしてもらえるような気づきをもたらす、そして安心して自分のことを話せる「心の居場所」にしていきたいと思います。


7月度MSR8

参加してくださったみなさん、ありがとうございました。

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