2014年6月30日月曜日

じぶん発見プロジェクト「しろにじカーサ」6月度【マイノリティスタディルーム】のご報告

おとといは、3回目の「じぶん発見プロジェクト『しろにじカーサ』【マイノリティスタディルーム】」でした。

6月度MSR1

今回は、クルー(スタッフ)を含め、5名のみなさんが参加してくださいました。

以下、参加されたみなさんの感想です。

【Oさん】自分で、自分の弱さについて、まだ十分に向かい合ってないという気付きがありました。そして、今できていなくても、今できることをひとつひとつ少しづつやっていければ、よい方向へ行けそうだと思いました。
【田村さん】有意義だったと思います。自分のことを話せました。前回まではやはり恐怖心があったけれど、それを感じていたのは自分で、そこにいた人ではないと分かりました。前より少しつっ込んだ話が出来ておもしろかったです。


6月度MSR4

今回は、統合失調症の例を動画で見てもらいながら、「弱さってなに?」というテーマでディスカッションしました。

6月度MSR2
6月度MSR3

動画の中心人物は23歳の仕事がばりばりできる独身男性。
あるときから幻聴が始まり、それから10年以上に及ぶ病気との戦いが始まります。
病名は統合失調症。
最後は、幻聴を受け入れ、自分の中の声と対話をしていくことで、病気と付き合っていくことになる結末でした。

まず、参加者のみなさんに自己紹介と、いちばん最近「弱さ」や「強さ」を意識した場面や普段から自分の「弱さ」や「強さ」として捉えている部分についてお話してもらいました。
そして、動画を見てもらって率直な感想を聴かせてもらいました。

動画で主人公が自分の「弱さ」として捉えたのは、自助グループに参加したときに、自分の弱さをさらけ出せないという部分でした。

6月度MSR6
6月度MSR7

はじめに今回の動画を見て話し合ってもらうのは、みんながそれぞれに自分の「弱さ」として捉えているものが、本当に弱い部分なのか、もしかしたら「強み」だったりする場合もないかというアプローチでディスカッションしてもらうようなシミュレーションをしていました。

しかし、今回のテーマは、話していくうちに、その「弱さ」を受け入れていくことについてテーマが変わっていきました。
相手に対して持ってしまう怖れや、相手に対して感じてしまう壁は、実は自分に持っている怖れであり、自分が作っている壁なんだという方向に話が進みました。
もし、行動するエネルギーと受容するエネルギーが相反するものだったら、行動しなければ前に進めないという思い込みは、一旦行動することを立ち止まってやめてみてしっかり受け止める、それが自己理解にも相手理解にも有効な場合もあるし、関係性も深まっていくのではないか、そんなお話をすることになりました。
行動するということは、目標や目的を持って進める行動であれば達成感があるけれど、何かの恐怖や罪悪から逃げていく行動には達成感はなく、その場合は行動することにエネルギーを注ぐのではなく、その恐怖や罪悪を受け止めることが必要な場合もあるということ。
自分も相手も受け止めることが関係性を深める結果になること、そんなことをあらためて感じました。

6月度MSR5
6月度MSR8

これは先月もご報告で書いたことですが、これまでの「セクシュアリティ勉強会」のときは、事例が極端すぎてなかなか当事者の気持ちになりきれないという意見が多くありましたが、【セルフイメージチェンジルーム】で理論的に、もしくは感覚的に得たものを、応用してもらえるような、この3時間だけでもいろんなシチュエーションに身を置くことで、実際に自己理解相手理解を深めていってもらいたい意図もあります。
今日は、事例が統合失調症だったので、統合失調症当事者の方が抱える違和感を自分自身の場面に当てはめてもらうのは難しかったし、関連づけはあまりできなかったかもしれません。
でも、その分、「弱さを受け止めていくこと」については、かなり深まったディスカッションになったと思います。


6月度MSR9

参加してくださったみなさん、ありがとうございました。

2014年6月15日日曜日

変わりたいと思っているのに変われない3つの不安

いろいろうまくいかなくて、自分が変わるしかないと思っているひとたちが、無意識では本当は自分が変わるしかないと思っているのに、なかなか変われないのには、大きく分けてふたつの不安があるのだろうな、と思っていました。

ひとつは、未知の体験をする不安

なぜなら、うまくいかないことで苦しい思いをしていても、その苦しみは経験済みなので、今のままでいることが、苦しいことだと無意識が知っていても、たとえ苦しいままでも、経験済みだから、今までのことを続けていくだけだからです。
新しい体験がほぼ確実に楽になるとわかっているのに、不安の方が勝ってしまうんですよね、きっと。

ふたつめは、変わることでより悪い方に変わってしまうかもしれない不安

未経験のことは、良い方向に向かうと確信して変わろうとするんだけれど、その環境になったことがないから、そのとき自分がどうなってしまっているんだろうという不安があると思います。
もしかしたら、思っているようにはうまくことが運ばなくて、今より悪化するんじゃないかという不安。
近い体験があれば、どうなるのかは推測しやすいけれど、未経験だからうまくいかなかったときの不安がどうしても増大してしまうというもの。

このふたつの不安が大きすぎて、変わろうとする期待よりも、その不安の大きさに堪えきれずに変わろうとしないんだと思っていました。

でも、その不安って、苦しみを続けていくことより、そこまで増幅してしまうものなのか、少し疑問がありました。

今日、きっともうひとつ、重大な不安があるんじゃないかということに気づきました。

それは、自分が変われないだろうという強力な不安があることを認めてしまう不安です。

これまで、なかなかうまくやれないことに苦しみを感じていて、そんなままではダメだな、と思って、顕在意識は変わろうとするとき、そのダメな部分を反発で頑張って、違う認められ方をしようとしようと意識することをみんなしようと思うんだと思います。
それなのに、そのダメな自分を認めてしまいたくない思いを反発に変えて頑張ってきた人は、ダメな自分を認めることで反発する原動力となる前提がなくなってしまう。
反発と開き直りが、唯一自分を支えていたのに、この不安を認めてしまうと反発ができなくなってしまい、劣等感だけが残って、余計に変わる行動にブレーキをかけてしまうのではないかと。

弱さを認めてしまうと、反発だけで行動力に変換させていたひとは、行動できなくなってしまう。

ひとは、この3つの「未知の体験を怖れる不安」「変わる選択をして変われないどころか悪化してしまう不安」「弱い自分を受け入れてしまう不安」があって、これがそんじょそこらのモチベーションを上げることだけでは、なかなか難しいんだと思います。

この不安を受け入れることは、文字上では簡単そうでも、思い込みとして持っている未知の世界は絶大な不安がある」「未知の世界は罫線していない新しいチャレンジだから不安になる」「ダメな自分を認めてしまう不安があることは、相当根強くて、変化を求める自分には見た目以上に相当なブレーキをかけているんだと思います。

今までは、はじめに書いたふたつの不安でひとは変わらない選択をしてしまうんだろうな、と思っていました。

だけど、今日、弱い自分を認めてしまう不安に気づいてみて、これはなかなか手ごわいと思いました。
変わろうとする力はある意味「強さ」かもしれません。
なのに、弱い自分を認めないと行動に移らない。
「強さ」を強調することと「弱さ」を受容することを、同時にしなければならない
これは、表面上の顕在意識の無理矢理で強引な力では、きっと思い切れないんでしょうね。

けれど、「変わる」というのはきっとそういうこと。

でも、いつまでも苦しいままの行動パターンや思考パターンからは、みんな早く抜け出して欲しいと思います。
弱さを認めてしまうこと」は慣れてくると実に簡単です。
自分のいちばん弱い部分を認めることが頑張ってできれば、なんてことはないです。

そして、「自分の弱さを認めること」が「負け」とか「敗北」のようになってしまっているひと、それも単なる思い込みです。
ただ「自分の弱さ(人から弱く見られていること、自分がそれをダメだと思っていること)」を認めることは、「敗北」ではなく、「自分を深く理解した」に過ぎないことを、腑に落とせると、すぐ「変わる」決心や覚悟ができるんだろうなと思います。

2014年6月11日水曜日

じぶん発見プロジェクト「しろにじカーサ」6月度「マイノリティスタディルーム」のご案内

今日は、次のじぶん発見プロジェクト「しろにじカーサ」【マイノリティスタディルーム】のご案内です。

しろにじカーサ ロゴ

毎月第4土曜日は【マイノリティスタディ ルーム】です。

こちらのルームでは、ほかの人とどこか違う、違和感に感じているところを個性に変えていくアプローチで、よりよい行動の選択ができるように、マイノリティの題材を使って、参加者のみなさんにディスカッションを重ねていただきます。

本当の「じぶん」、話してみませんか?

じぶん発見プロジェクト「

【マイノリティスタディ ルーム】

日時 : 6月28日(土)13:15~16:15
参加費 : 3,000円
参加定員 : 20名
場所 : ナディアパーク(青少年文化センター) 8F ビデオルーム
    名古屋市中区栄3-18-1 ナディアパーク内
    地下鉄名城線・東山線「栄駅」より徒歩約7分, 名城線「矢場町駅」6番出口より徒歩約5分


ナディアパーク地図

どなたでもご参加いただけます。
興味のある方はぜひお問い合わせください。

今回は「弱さってなに?」というテーマで開催します。

しろにじカーサ受講生募集用チラシ表
しろにじカーサ受講生募集用チラシ裏

お問い合わせ・お申し込み先

「しろにじカーサ」代表 豆腐(きまた宗則)

  Tel : 090(9262)8782
  携帯mail : torff_sessionroom@ezweb.ne.jp

活動ブログ「豆腐の Activity Life」、Facebook、mixiメッセージ、twitter、こくちーずなどからもお申し込み可能です。
定員になり次第終了させていただきますのでご了承ください。
お受付させていただいた方には24時間以内にご連絡させていただきますので、メールアドレスを添えてお申し込みください。

主催:「しろにじカーサ」代表 豆腐(きまた宗則)


たくさんの参加表明お待ちしております。

2014年6月9日月曜日

じぶん発見プロジェクト「しろにじカーサ」6月度【セルフイメージチェンジルーム】のご報告

昨日は、じぶん発見プロジェクト「しろにじカーサ」を始めて3回目の【セルフイメージチェンジルーム】でした。

6月度SCR1

今回は「できることから始める」というテーマで、NLP「エイトフレームアウトカム」「サブモダリティ」「アンカリング」を組み合わせて、「なりたい自分を明確化」して、そのうえで「できることから始める」ことをいろいろワークしてもらいました。

6月度SCR3
6月度SCR4

今回は、クルーを含め、6名の方が参加してくださいました。
以下、参加されたみなさんの感想です。

【O(オー)さん】普段、夢のない人々とばかり顔を合わせていて、夢はゼイタク、夢は罪悪という感覚すらありましたが、そんな風に思わなくていいのだということが分かってよかったです。自分なりの夢について、関係者と根気よく会って、これから先を決めたいと思います。関係する人々の「お客さん」からもっと深く突っ込んだやりとりを、自分を「お客さん」から「仲間」へと変化させていくには・・・? とにかく行動するしかないですね。
【Nikkoh さん】どんな自分になりたいのかを明確化していく旅でした。最終的に「これかな?」というものにたどり着くことができて嬉しかったです。夢が実現したイメージを脳内に持っておくのはいいですね。ひとまず、体力の増強と健康のために、ウォーキングを習慣化したい。
【サオリンさん】改めて自分の夢・目標が不明確なことに気づきました。


6月度SCR2

今回は、ワークが盛りだくさんだったので、かなりタイトにできるようにシミュレーションをして挑みました(笑)。

エイトフレームアウトカムは、目標ゴールについて、具体的にいつどこで誰と作るか、達成するとどうなるのか、それにどんな意味があるのか、すでに持っているリソースは何か、足りないものや制限をかけているものは何か、を書き出してもらって、今できる最初に一歩が何かを決めるワークです。
そこで、最初の一歩を決める前に、夢が叶った状態や目標を達成した状態を五感をフル活用してありありとイメージしてもらい、さらにそのイメージをアンカリングの手法を使って、特定の感情や反応を自動反応的に引き出すワークをしてもらいました。
そのうえで、最初の一歩を決めてもらう作業をしました。

また、目標のさらに向こう側にある本来の自分がなりたい状態を明確化することで、生きる目的がはっきりし、成果が得られやすいことをお話させていただきました。


6月度SCR5

今回はボクの喋りを要所だけに抑え、極力ワークに時間を注ぎましたが、喋り足りない感じはなく(笑)、いいワークショップになったと思います。

6月度SCR6

参加してくれたみなさん、ありがとうございました。

2014年6月3日火曜日

可能性のある真実を評価する

今週日曜日、「第22回マインドスペース夢カフェ」でした。

第22回マインドスペース夢カフェ1
第22回マインドスペース夢カフェ2
第22回マインドスペース夢カフェ3

シリーズ自己理解を深める」の第3回目、今回のテーマは「③思い込みを外す」でした。

第2回目のときに、「コンプレックスを個性に変える」というテーマで「認知に歪み」のお話をして、単語でネガティヴなイメージの性格を表す言葉をポジティヴな言葉に置き換えてみるというのをしましたが、今回は、文章でネガティヴヴな思い込みを外すトレーニングをしました。
お話した主な内容は、NLPやコーチングでいうリフレーミングと、心理学で言うところの論理情動理論です。

そして、今回は、われわれは出来事をネガティヴに考えがちだけれど、ひとはどんなに否定的に思える行動や振る舞いにも必ず「肯定的な意図」があり、それが発生する背景・条件・前後関係などのとして非言語状況次第で無数の意味を持つことができることなどをお話しました。

論理情動理論」からは「A-B-Cモデル」を取り上げ、A「出来事・体験」・B「ビリーフ」・C「結果として生じる感情や行動」と位置づけたうえで、「感情の原因は出来事ではない」「さまざまな感情が起こるのは他者のせいではない」「様々な感情は過去の出来事のせいではない」ということを、強調させていただきました。

こういうアプローチだったので、最近よくいろんなところで話している「正しく憎む」ことについても話させてもらうことになりました。

アメリカの心理学者アルバート・エリスは、ひとが持ってしまいがちな主なイラショナルビリーフ(非合理的な思い込み)を3つあげています。
①私はうまくやらねばならない、あるいはひとからよく思われなければならない。
②あなたは私に気持ちよく、親切に接しなければならない。
③世間は、私がほしいものを、すぐに、簡単に、確実に与えなければならない。

このビリーフを持っていると、満たされない現実が起こり、「私」や「あなた」に「ダメ出し」が始まり、「社会」が「最悪」だという評価に陥ります。

こんな、叶いもしない思い込みを、意外とみんな持っているものです。

論理療法が注目するのは、「本当に可能性のある真実を評価する」ことだと言っています。
ひとは誰でも、肯定的にものごとを捉え、成長していく力を持っていると心理学は考えます。
アルバート・エリスによると、そこに「要求」「最悪だと思うこと」「低い欲求不満耐性」「人間の価値に対する包括的評価」が邪魔をし、イラショナルビリーフを生むのだとされています。

誰にでも肯定的に捉え、成長していく力があるのであれば、ネガティヴに陥りがちなビリーフを変えることで、ダメ出しはなくなるはずですよね。
自分にも相手にも、社会にも。

徹底的な「自己理解」を来年3月まで名古屋会場「カフェヴァンサンヌドゥ」では、毎月やっていきたいと思っています。

第22回マインドスペース夢カフェ4

参加してくださったみなさん、ありがとうございました。